自然・動物と関わる仕事
水産業普及指導員(すいさんぎょうふきゅうしどういん)とは?
水産業普及指導員は、「漁業法」および「水産基本法」に基づく国家資格で、漁業者や水産加工業者に対して、漁業技術・経営管理・環境保全などの指導を行う専門職です。農業分野の「普及指導員」と同様に、水産業の持続的発展と地域漁業の振興を目的として、各都道府県に設置される水産普及センターなどで活動します。
この資格を持つ指導員は、漁場の環境調査、魚類資源の管理、養殖技術の改善、加工・流通の支援などを通じて、水産業全体の品質向上と経営安定化を支援します。また、気候変動による漁場変化や外来種問題への対応、海洋環境保全にも関わるなど、地域社会と海洋資源の橋渡し的な存在です。
水産業普及指導員は、現場に密着して漁業者と共に課題解決に取り組む「地域の海のアドバイザー」です。漁業協同組合、地方自治体、水産試験場など幅広い職場で活躍しています。
水産業普及指導員の試験概要
| 根拠法令 |
水産業改良促進法(昭和26年法律第273号)に基づく国家資格。 漁業経営や水産資源の管理・技術指導を行う専門職として、地域水産業の発展を支える。 |
|---|---|
| 所管官庁 |
農林水産省(水産庁)。 都道府県が実施主体となり、水産技術センターなどで活動する水産業普及指導員を任命・登録する。 |
| 受験資格 |
・大学や専門学校で水産学・海洋資源学・生物学などを専攻した者。 ・または漁業経営や水産技術に関する実務経験を有する者。 ・地方公務員(技術職・水産職)として採用されたのち、研修・実務を経て任命されるケースが多い。 |
| 試験・研修内容 |
・漁業経営・資源管理・養殖技術 ・海洋環境保全・漁場整備 ・水産流通・品質管理・衛生管理 ・地域漁業振興計画の立案・支援 ・漁業者への技術普及・経営指導 ※筆記試験と面接に加え、実務研修の修了が必要。 |
| 資格の特徴 |
水産業における「地域のアドバイザー」として、漁業者への技術・経営支援を行う国家資格。 行政と現場の橋渡し役として、持続可能な漁業や地域振興を推進する重要な立場にある。 |
水産業普及指導員 Q&A
Q. 水産業普及指導員とはどんな資格?
漁業者や養殖業者に対し、経営や技術面での支援を行う専門職。水産資源の保全や地域の水産業振興を担う国家資格です。
Q. どうすれば水産業普及指導員になれる?
地方公務員試験(水産職)に合格し、都道府県職員として採用されたのち、実務経験と研修を経て資格認定を受けます。
Q. どんな場所で働くの?
水産技術センター、漁業協同組合、県庁の水産部門など。漁業者への技術指導や経営相談、資源保全活動を行います。
Q. 試験の難易度は?
専門知識が求められるため、水産学や海洋生物に関する学問を学んでいる人に有利。実務経験を積むことで受験しやすくなります。
Q. 資格を取るメリットは?
公務員として安定した立場で水産業の現場に関われる。地域の漁業者からの信頼が厚く、社会貢献度の高い資格です。
水産業普及指導員が必要な職業/あると有利な職業
1. 必ず必要な職業
- 漁師(水産普及センター勤務)
2. あると有利な職業
公式情報/出典
- 根拠法令:漁業法(昭和24年法律第267号)/水産基本法
- 試験実施機関:各都道府県(水産庁指導)
- 所管:農林水産省(水産庁)
- 出典:水産庁「水産業普及指導員制度概要」/各都道府県水産試験場資料(令和6年度)

