環境とエネルギーの仕事
特別管理産業廃棄物管理責任者とは?
特別管理産業廃棄物管理責任者は、廃棄物処理法に基づく「国家資格に基づく講習修了資格」で、爆発性・毒性・感染性など、取り扱いに高度な安全管理を要する「特別管理産業廃棄物」を排出する事業場に必置の管理者です。特別管理産業廃棄物は、一般の産業廃棄物よりも環境リスクが高く、法令で厳格な管理が義務付けられています。
管理責任者は、保管・運搬・処分委託・マニフェスト管理・安全対策・緊急時対応など、事業者の法令遵守を中心となって管理します。扱う物質は廃油・廃酸・廃アルカリ・アスベスト・感染性廃棄物など多岐にわたり、化学知識・リスク管理能力・環境法規の理解が不可欠です。
資格取得には、環境省が認定する講習を受講し、修了考査(筆記試験)に合格する必要があります。講習内容は廃棄物処理法、特別管理物質の特性、保管基準、運搬の基準、安全衛生、事故防止など幅広く、環境管理業務の基礎になる内容が凝縮されています。
環境事故防止・コンプライアンス強化の流れの中で、特別管理産業廃棄物管理責任者は製造業、医療機関、研究施設、建設業、化学プラントなど、あらゆる分野で求められる安定した環境系資格です。
特別管理産業廃棄物管理責任者の試験概要
| 根拠法令 | 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)。 特別管理産業廃棄物を排出する事業者に管理責任者の選任を義務付ける国家制度。 |
|---|---|
| 所管官庁 | 環境省。 講習実施:日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)などの指定機関。 |
| 種類 | 特別管理産業廃棄物管理責任者(単一区分)。 ※事業場で取り扱う特別管理産業廃棄物の管理責任者として選任可能。 |
| 受講資格 | 年齢・学歴不問。誰でも受講可能。 ただし、化学物質・廃棄物管理の知識があると理解が容易。 |
| 講習・試験内容 | 【講習(学科)】 ・廃棄物処理法と関連法令 ・特別管理産業廃棄物の種類・性質 ・保管基準・容器選定・表示方法 ・運搬基準・委託契約・マニフェスト ・事故防止(漏えい・爆発・反応事故) ・安全衛生管理・緊急時対応 【修了考査(試験)】 ・講習内容を問う筆記試験(選択式) ・基準点以上で合格 ・合格者に修了証が交付され、管理責任者として選任可能になる。 |
| 難易度 | 講習内容を理解すれば合格可能だが、化学物質の性質や法令が多く、未経験者にはやや難しい。 環境管理職・安全衛生担当者は比較的合格しやすい。 |
| 資格取得までの流れ | (1)講習申込み (2)講習受講(1〜2日) (3)修了考査 → 合格 (4)事業場で特別管理産業廃棄物管理責任者として選任可能 |
| 更新 | 更新制度なし。 ただし法令改正が多いため、継続的な研修を受けることが望ましい。 |
特別管理産業廃棄物管理責任者に関するQ&A
Q1. この資格がないと特別管理産廃は扱えませんか?
A. はい。事業場には必置で、必ず選任しなければなりません。
Q2. 化学の知識が必要ですか?
A. 必須ではありませんが、理解が大幅に楽になります。
Q3. 受講だけで取得できますか?
A. 講習修了+修了考査の合格で取得できます。
特別管理産業廃棄物管理責任者が必要な職業/あると有利な職業
必ず必要な職業
- 産業廃棄物処理業者(特別管理産業廃棄物管理責任者)
あると有利な職業
公式情報/出典
- 環境省 廃棄物処理法
- 日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)


