特定化学物質等作業主任者(とくていかがくぶっしつとうさぎょうしゅにんしゃ)とは?
特定化学物質等作業主任者は、「労働安全衛生法」に基づく国家資格で、有害な化学物質や特定化学物質を取り扱う職場において、安全管理を担う責任者に必要な資格です。 化学物質の中には発がん性・毒性・生殖毒性などの健康リスクを持つものがあり、吸入や皮膚接触による被ばくを防ぐため、主任者を選任して職場の安全を確保することが法律で定められています。
主任者の主な業務は、作業環境の換気や排気装置の点検、防護具の使用状況の確認、作業手順の作成、健康障害防止措置の実施、安全教育の実施などです。 特定化学物質にはアスベスト、クロム酸塩、ベリリウム化合物、ホルムアルデヒドなどが含まれ、製造・実験・メッキ加工・塗装など、さまざまな現場で主任者の知識と判断が求められます。 また、厚生労働省の通達により、対象物質の種類は定期的に更新されており、最新情報に対応できる知識の維持が重要です。
この資格を取得することで、化学製品工場、金属加工業、研究所などで安全責任者として活躍できるほか、企業の安全衛生管理担当や品質保証部門へのキャリアにもつながります。実務的で、化学・製造・環境衛生の知識を総合的に活かせる国家資格です。
- 資格の種類: 国家資格
- 分野カテゴリ: 科学・研究
- 対象者: 特定化学物質・有害化学物質を取り扱う作業に従事する人
受験概要
所管 | 厚生労働省(試験実施:中央労働災害防止協会/労働局) |
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受験資格 | 学歴・年齢不問。誰でも受講可能。 |
試験内容 | 学科講習(化学物質の有害性・安全管理・健康障害防止・法令)+ 修了考査 |
合格率 | 約80〜90%(修了考査形式) 出典:中央労働災害防止協会(令和5年度) |
特定化学物質等作業主任者を取るために必要なこと
- 講習受講: 厚生労働省が認定する機関(中災防など)の講習を受講する。
- 修了考査: 講習後に実施される修了試験に合格することで資格取得。
- 主任者選任: 事業所で主任者として選任され、化学物質の安全管理を統括する。
特定化学物質等作業主任者が必要な職業/あると有利な職業
必ず必要な職業
あると有利な職業
公式情報/出典
- 厚生労働省「特定化学物質障害予防規則」関連資料
- 中央労働災害防止協会(講習情報)
難易度: ⭐️⭐️ (難易度2)
※講習形式のため取得しやすいが、実務での責任は重い資格。