運行管理者（うんこうかんりしゃ）

運ぶ・支える仕事

運行管理者とは？

運行管理者とは、バス・タクシー・トラックなどの事業用自動車を安全に運行させるために、事業所ごとに必ず選任が義務付けられている国家資格です。乗務員の勤務時間・休憩・健康状態の確認、点呼の実施、運行計画の作成、気象や道路状況のチェックなど、交通事故を未然に防ぐための重要な管理業務を担います。

事業所の規模や保有台数に応じて、一定数の運行管理者を置かなければならず、運送会社やバス会社では法定配置の中心資格として扱われています。特に安全管理が強化されている現代では、監査対応や運輸安全マネジメントなど、総合的な安全体制を整える役割も果たします。

運行管理者資格は「貨物」「旅客」に分かれ、取り扱う車両・業務が異なります。いずれも運輸業界でキャリアアップする上で必須級の資格であり、配車係・運行管理補助者として経験を積みながら取得する人が多いのが特徴です。

また、点呼のIT化やデジタコの普及により、データ分析・労務管理・法律知識などより総合的なスキルが求められるようになっており、運輸業界の安全と効率性を支えるプロフェッショナルとして需要が高まっています。

根拠法令	道路運送法および貨物自動車運送事業法に基づく国家資格。事業用自動車の安全運行を確保するため、事業所に選任を義務付ける制度。
所管官庁	国土交通省／運行管理者試験センターが実施
区分	・貨物（トラック）・旅客（バス・タクシー）
受験資格	・実務経験1年以上または・基礎講習（国交省指定）修了者
試験内容	・関係法令・運行管理一般、点呼・労務管理・車両構造機能・事故防止（ケーススタディ）・運行計画作成
試験方式	マークシート式（年2回実施）
合格率	貨物：約30〜40％旅客：約25〜35％出典：運行管理者試験センター令和5年度結果
資格取得までの流れ	受験申込 → 試験 → 合格 → 選任届提出（事業所に配置）
更新	5年ごとに法定講習の受講が必須。
留意点	違反点数管理・健康起因事故防止・乗務割作成など、法的責任が極めて重い職務。運行管理補助者として経験を積むと業務理解が早い。