揚貨装置運転士(ようかそうちうんてんし)

建てる・つくる
建てる・つくる仕事

揚貨装置運転士(ようかそうちうんてんし)とは?

揚貨装置運転士は、「労働安全衛生法」に基づく国家資格で、荷を吊り上げたり積み下ろしを行う揚貨装置を安全に操作するために必要な資格です。 揚貨装置にはデリックやジブクレーン、橋形クレーン、積込み装置などさまざまな種類があり、港湾施設や造船所、建設現場、工場など、重量物を日常的に扱う多くの現場で使用されています。これらの装置は規模が大きく、作業環境も高所や狭い場所が多いため、専門的な知識と技能が欠かせません。

資格制度としては、労働安全衛生法の枠組みの中で「クレーン・揚貨装置系資格」のひとつに位置づけられています。クレーン運転士や移動式クレーン運転士と並び、重量物取り扱い作業の安全性を担保するために法的に定められた国家資格です。作業の性質上、事故が発生すれば人的・物的に甚大な被害につながる可能性があるため、資格保持者による運転が義務付けられています。

揚貨装置運転士の役割は単に機械を動かすことにとどまりません。作業指示を出す合図者や周囲の作業員と連携しながら、安全確認を徹底することが求められます。加えて、現場の天候や地盤の状態を考慮し、吊り荷の重量やバランスを正しく判断する力も必要です。これらの判断を誤ると、荷崩れや転倒、重大事故につながる危険性があるため、現場全体の安全性を守る責任を担う存在といえます。

また、資格取得後も終わりではなく、実務を通じて経験を積みながら、継続的に安全教育や技術研修を受けることが推奨されています。建設や造船といった産業分野では、作業効率と安全性を両立させるために揚貨装置運転士の存在が不可欠であり、インフラ整備や物流の現場を支える重要な人材と位置づけられています。

  • 資格の種類: 国家資格
  • 分野カテゴリ: 建てる・つくる
  • 対象者: 港湾、建設現場、造船所、工場などで揚貨装置を扱う人

受験概要

所管厚生労働省
受験資格18歳以上であれば誰でも受験可能
試験内容学科試験(揚貨装置の構造、原動機、電気、関係法令、安全管理)と実技試験(操作、安全確認)
合格率約30〜40%前後
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会

揚貨装置運転士が必要な職業/あると有利な職業

必ず必要な職業

あると有利な職業

公式情報/出典

  • 厚生労働省「労働安全衛生法」関連資料
  • 公益財団法人 安全衛生技術試験協会

難易度: ⭐️⭐️⭐️ (難易度3)
※学科と実技があり、安全確認を重視。合格率は30〜40%前後。

タイトルとURLをコピーしました